沖縄でオスプレイが不時着(一部では墜落と噂)されましたが、原因は何だったのでしょうか?

一部では「欠陥機」とも噂されるこのオスプレイについて、今分かっている情報から事故時の状況を推測してみました。

今回の事故の直前はどのような状況だったのかを考えてみる

今回発生した事故は、沖縄県沖の海上でオスプレイ2機が海上給油訓練を実施している際に発生しました。

事故発生当時は、KC130(空中給油機:通称「ハーキュリーズ」)とオスプレイ2機が空中給油訓練を実施しており、KC130から伸ばされた給油ホースをオスプレイが受け取って給油する訓練が行われていたものと思われます。

まずは、こちらのKC130の空中給油訓練の様子をご覧下さい。

 

 

動画を見ていただければ分かるかと思いますが、このように空中給油機から伸ばされた給油ホースの先端には、オスプレイ側についている給油ノズルの先端を受け止めるためのアタッチメントがついており、オスプレイのノズルを給油ホース先端のアタッチメントに押し込むことによって、給付ホースと給油ノズルが接続できるようになっています。

空中給油機からの給油は、簡単なように見えますが、天候や風などの影響を非常に受けやすく、シビアな機体コントロールが求められる為、難易度が高いトレーニングです。

 

Osprey Displays Capabilites
オスプレイを横から見た画像 (c)Flickr/Marines

 

上記の画像を見てもらうと分かるとおり、オスプレイの回転翼(ブレード)は、機体と比較して非常に大きなものになっています。

そして、給油を受けるためのオスプレイの給油ノズルについては、回転翼よりも前(コックピット前)についている事が分かります。

通常の空中給油であれば、回転翼に給油ホースが接触することはありません。

事故はなぜ起きたのか?(ここからは仮想で記述します)

当時オスプレイは、空中給油訓練中でした。訓練、つまり練習をしていたので、パイロットの技量が足りなかったり、天候が悪く突発的な突風などが吹けば、当然失敗する可能性も高くなります。

しかしながら、有事の際においてはどのような天候であっても空中給油をしなければならない状況も考えられる為、「今日は風が強いから無し」なんて事は当然の事ながらありません。

 

Fill'er Up
KC130空中給油機から空中給油を受けるオスプレイ (c)Flickr/Marines

 

事故において最も最悪なケースは、オスプレイと空中給油機が接触による同時墜落ですが、今回は現地司令官が「給油ホースが切れた」「飛行が困難になった」と述べており、さらに調整官は「空中給油中にプロペラがホースを切った恐れ」「ホースがプロペラに入ってしまい、プロペラが損傷した」「墜落直前は期待がガタガタと揺れ、不安定な飛行であった」と言っているので下記の事が想定できます。

通常の飛行で、空中給油機のホースが自ら切れる事はほとんどありえません。

ですので、オスプレイが空中給油機に異常接近し、誤って給油ホースを切断してしまった可能性が高いと思われます。

通常、空中給油を受ける場合は、戦闘機でもヘリコプターでもオスプレイでも、空中給油機が射出した給油ホースの先端の後ろを水平飛行し、機体をタイミングよく前に前進させることにより給油ノズルを給油ホースのアタッチメントに押し込むという方式を取っています。

その為、うまく入らなかった場合は、給油ホースが給油ノズルの先端を通り過ぎて回転翼(プロペラ)に接近してしまうことがあります。

オスプレイはそのような中でも、回転翼が特に大きな機体の為、特に空中給油が難しい機体であると思われます。

※映画「パーフェクトストーム」の中盤の部分で、沿岸警備隊の救助ヘリコプターが悪天候の中、空中給油を失敗しつづけ、燃料不足で墜落するシーンを見たことがある方は、イメージしやすいかもしれません。

 

さて、給油ホース切断後のその後ですが、もし給付ホースの先端だけが切断されたのであれば、給付ホースは風圧でオスプレイの後方にぶっ飛んでいくはずですし、回転翼も給付ホースで破損するほどヤワな耐久性ではないと考えます。

そこで、可能性として考えた原因は2つ。

1つ目は、給油ホースが回転翼に絡まった後、ぶっちぎれたパターン。この場合、回転翼に給油ホースが絡まったままだったのか、絡まっていたが外れたのかはわかりませんが、回転翼の駆動系に負担が掛かって不具合が発生したという可能性は十分にあります。

2つ目は、飛行に問題は全く無かったけど、給油ホースとアタッチメントが無くなったことにより、空中給油を受けず、帰還するまでの燃料が不足した可能性。

2つ目の理由は考えにくいと思われます。訓練であり、空中給油ができなかったという可能性も考えて、往復分の燃料は積んでいるのではないでしょうか。

となるとやはり、一番可能性として考えられるのは、回転翼によって切断された給付ホースがオスプレイの駆動系に深刻なダメージを与えた可能性が高いということです。

12月15日追記:Twitterの投稿を見てると下記の様な投稿が。


ホースが切れて、巻き込んだという可能性を主張されてます。その可能性もあるかもしれませんが、そうなると訓練のヒューマンエラーというよりも、空中給油機から給油ホースが抜ける(ちぎれる)って、機体整備の問題になるから、ヒューマンエラーよりももっと問題になるのではと思った。

事故後から不時着まで(仮想)

現地司令官は、「普天間基地への帰還を試みた」「辺野古のキャンプシュワブに目的地を変更した」「浅瀬に着水した」と述べているので、事故直後は一時的な飛行に問題は無かったと思われます。

しかし、「辺野古のキャンプシュワブに目的地を変更した」という情報から考察するに、普天間基地に帰還中に状況が悪化し、墜落するリスクが高くなった可能性が高いことが伺えます。

普天間飛行場は、住宅地のど真ん中にありますので、住宅地にオスプレイが墜落でもしたらそれこそ大変な政治問題になってしまうでしょう。そこで、沿岸にある辺野古のキャンプシュワブに目的地を変更した可能性が高いのではないでしょうか。※後日、目的地変更の判断はパイロットの判断であった事が分かっています。

目的地を辺野古のキャンプシュワブに変更した後も、ますます駆動系の状態はさらに悪くなり、機体はガタガタと揺れ、いつ墜落してもおかしくない状態であったと考えられます。

当然事ながら、オスプレイは左右に1つずつしか回転翼が無いため、そのどちらかが動作不能になった時点で推力を失い墜落します。

そのため、飛行を継続してリスクを抱えたままキャンプシュワプまで行くか、安全を優先してまだ機体が飛行できる状態のうちに、乗員の命を守るため「海面に不時着」するかという選択肢を選ばざるを得ない状況になり、最終的に「不時着」という選択をしたわけです。

乗員5人中2人がケガという報道については、「周囲にパラシュートのようなものがあった」という地元の人の情報から推察するに、不時着時の衝撃による負傷者を減らすため、パイロット2名を除く乗員はパラシュートで脱出したものと思われます。

ケガをしたのは最終的に、不時着する最後までオスプレイに搭乗し続けたパイロット2名だと考えます。

夜間+海面不時着ということもあり、水深や衝撃の強さによっては、死亡する可能性もあった為、このパイロット2名は死を覚悟したかもしれません。

オスプレイは安定した着水体制を取れない程、ダメージが大きかったのか?

1つ気付いた点として、「オスプレイは安定した着水体制を取れない程、ダメージが大きかったのか?」という点が気になります。

次の写真をご覧下さい。
Flight Operations
空母に着艦するオスプレイ (c)Flickr/Marines

 

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、オスプレイは着陸をする際、左右についている回転翼の角度を変えることにより、ヘリコプターに近い形での比較的安定した着陸を行えるようになっています。

ですので、ダメージが深刻でなければ、着陸時の衝撃を和らげるためにこの状態で着陸した方が良かったのではないでしょうか?

次に今回の事故後のオスプレイの状態をご覧下さい。

 


大きく損傷した状態のオスプレイ (c)The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL

 

右翼(手前側)の一番端の部分にある回転翼の稼動部が、ほぼ水平になっているのが分かります。また、着水した場所は内湾の波が比較的穏かな場所であり、機体が真っ二つに寸断されるなど損傷が大きいことから、通常の着陸態勢をとらずに着水した可能性が高いと思われます。

ソフトランディング(軟着陸)を試すことができないほど、駆動系にかなりのダメージを受けていた可能性が高かった事が想像されます。

乗員の無事を喜ぶと共に、より一層の安全対策を

訓練中の事故において大破するほどの事例がほとんど無い中で、幸いにも2名のケガ人で済んだ事は不幸中の幸いではありましたが、沖縄県民にとって日常生活における危険性が無くなった訳では無い為、今後ますます在日米軍と政府に対する批判が高まることが予想されています。

現在は、オスプレイによる訓練は止められていますが、他の訓練の実施においてもより一層の安全対策を取ることが求められています。

 

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